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無限季節

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コスプレの方で話題になっているオリジナルBLで物語

今回の話は突然、事務所に赤ちゃんを預かってほしいという人が現れ、育児に奮闘するメンバーの話・・・

宮田×おじさん要素が多め



それはある日の事だった・・・
いつものように事務所を開けて、イクトがポストに新聞を取りにいった時、事件は起こった・・・



午前中、いつものようにキチョウと影次が事務所に顔を出すと、事務所の中は騒然となっていた。

宮「イッ君!!! ミルクまだ!!!」
イク「待ちなさい! まだ熱いんですから!」
荘「宮田君、赤ちゃんのオムツどれ~?」
宮「いやいや、それだから! 荘ちゃんが持ってるのタオルだから!」

事務所の中に入ったキチョウと影次はその姿に目が点になった。

キチョ「おい、それは何だ」
宮「何って、見ればわかるっしょ! 赤ちゃんだよ、赤ちゃん!!!」
影「どうして赤ちゃんが・・・はっ! まさか・・・宮田さんの・・・」
キチョ「何!!! お前・・・最低だな」

と影次の顔は真っ青になり、キチョウは軽蔑の眼差しで宮田を見た。

宮「違う! 俺じゃなくてイッく・・・げふん!!!」

ミルクを持ってきたイクトに思いきりゲンコツを食らわされ宮田は痛さに顔を歪ませる。

イク「宮田君・・・冗談にも程がありますよ~」

笑顔で宮田の腕の中で大泣きする赤ん坊を抱き直しミルクを飲ませる。
大泣きしていた赤ん坊はミルクを美味しそうに飲み、イクト達は安堵のため息をついた。

キチョ「で、何をどうしたら赤ん坊になるだよ」

宮田の隣に腰掛け、赤ん坊をまじまじ見つめるキチョウにイクトが説明し始めた。

イク「今朝、ポストに朝刊を取りに行ったら男の人が立ってたんです。
   その方に突然、大事な会議があるので赤ん坊を預かって欲しいと頼まれたんです」
影「え? 赤ん坊の母親は?」
荘「昨日からインフルエンザで寝込んでるだって。
  実家も遠すぎるし、託児所も朝早くから開いてないからウチを頼ったんだって」

自分のデスクにいた荘汰がイクトの隣に移動し、ペッタリと引っ付き赤ん坊を見ていた。

宮「仕事は夕方には終わるから、それまで面倒見てたんだけど・・・これが最悪・・・
  この面子・・・赤ちゃんの世話したことないという」

その言葉にイクトは咳払い、荘汰は視線を赤ちゃんから逸らさないという始末・・・

キチョ「・・・・・・で、俺らを呼んだと」
宮「そういうこと! 助けて!!!」

キチョウに抱きつこうとしたが、サッと避けられソファに倒れこんだ。

キチョ「悪いが俺は赤ん坊が嫌いだ」

そのまま軽やかに影次の隣に腰掛ける。

影「僕は妹がいて一応は赤ちゃんの世話はできるんだけど・・・この後、午後から大学が」
イク「ですよね・・・」

その言葉に宮田、イクト、荘汰はガクーンと肩を落とした。

与汰「あらら~、赤ちゃんだ、か~わいい♪」

と、突然声が聞こえたと思ったら、情報屋の与太郎がイクトの反対に座り込み赤ん坊のほっぺをツンツンと突いていた。
突然の登場に全員が声にならない悲鳴をあげ、宮田は飛びのき、影次はキチョウに抱きついていた。

宮「おぉぉぉおおお、おっさん!!! いつから!!!」
与太「やだな~、青年! おじさんはいつでも君の隣に・・・」
イク「いつから居たんですか?」

いつの間にか赤ん坊を荘汰に抱かせ、いつもの如く黒い笑顔を向け与太郎の胸倉を掴み吐かせようとするイクトにキチョウと宮田と影次は青い顔をして怯える。

与太「えっと・・・忍者くん達がここに入った辺りから・・・」
キチョ「ついて来てたのかよ・・・」

パッと胸元を放してもらうと、クシャクシャになった襟元を直し、赤ん坊にまた目をやり、

与太「赤ん坊ってどうして可愛いんだろうな~♪」

ミルクを飲み終えた赤ん坊を抱いて、あやす姿に全員が驚愕した。

宮「え? おっさん・・・赤ちゃんの世話したことあんの?」
与太「ん~? 失礼だね~、これでもおじさん、姪っ子やら甥っ子やらいるんだよ~」
イク(本当でしょうか?)

基本、嘘しか言わない与太郎の言葉にイクトは疑問を持つが、赤ん坊を寝かせる与太郎の姿は確かに慣れたものだった。

イク「決まりですね」
与太「はい?」
荘「だね」
与太「何が?」

イクトと荘汰は立ち上がると、与太郎の目の前に赤ちゃんのミルクやオムツの入った鞄をドンッと置き、

イク「与太郎さん、依頼をお願いします。
   今日一日、赤ちゃんの面倒をお願いします」

ニッコリと笑顔を向けられた与太郎は咥えていた火のついてないタバコをポロリと落とした。

与太「ちょちょちょ!!! 冗談キツイよ、メガネ君」
イク「・・・・・・冗談? すいません、私は冗談というものが嫌いなんです」

笑顔は相変わらず与太郎に向けられたまま。

荘「大丈夫、ちゃんとその分の報酬は渡すよ。
  あと助手で宮田君置いてくし」
宮「俺!!!」

突然自分を名指しされ、宮田はブンブンと頭を横に振るが、荘汰の『断ったら今月分の給料無し』というアイコンタクトに何も言えなくなり、与太郎と宮田はがっくりと肩を落とした。








その後、荘汰とイクトは依頼が入っているため外出し、キチョウと影次も各々の用事のため事務所を出ていってしまい、事務所には宮田と与太郎、そして気持ちよさそうに眠る赤ちゃんの3人になってしまった。
与太郎はソファに赤ちゃん寝かせ、地べたに座り込みポンポンと優しく赤ちゃんのお腹をあやしていた。
宮田はその向かいで赤ちゃんの服とタオルを綺麗に畳みながら、その光景をジッと見つめ、

宮「おっさんって、本当に何でもできんだな」
与太「ん~? だてにおじさんしてないよ~」

与太郎は胸ポケットを探ってタバコを咥えようとしたが、ゴソッと動いた赤ん坊に気づき吸うのを止めた。
宮田は与太郎を見たまま、視線を逸らそうとしない。

宮(そういえば俺・・・おっさんの事何も知らねぇよな~)


与太郎と出会ってから長い歳月は過ぎてるが、実際は着かず離れずの状態で、いつも逃げられてしまう。
しかし・・・今はチャンスではないのか!
いつも自分とは少なからず距離を取り、なかなか手を出させてくれない、あの与太郎が自分の目の前にいる。
キスくらいならできるのでは・・・そう思った宮田はタオルはソファに置き、机越しに与太郎に近づく。

与太「? どうした宮田せいね・・・」

頬に手が添えられ、宮田の顔が近づいてくる。
キスされようとしているのに気づいた与太郎が顔を逸らそうしたが、宮田は逃げられないように添えた手に力を入れる。
唇が当たりそうになった瞬間・・・

赤「ふぇ・・・うぅ・・・ぇええええええええええええ!!!」

真後ろから盛大に泣き声が振ってきて、与太郎のデコが宮田の鼻をクリーンヒット!


宮「っだ!!!」
与太「おぉっと、悪い悪い」

ドンっと宮田を押しのけると、与太郎は赤ん坊の方に向き直ると抱き抱え「よ~いよい」と隣の部屋に行ってしまった。
鼻を押さえた宮田はソファにドカッと座り込むと「また逃げられた・・・」と小さくほくそ笑んだ。










それから夕方になり、赤ん坊の父親が迎えに来、赤ん坊は帰っていった。

荘「や~、助かったよおじさん。 はいこれ」

ソファに座っている与太郎に荘汰は封筒を渡した。
その中身を確認し、与太郎はコートの内ポケットにしまい込む。

与太「子守りのわりに多くない?」
荘「気持ちだよ、気持ち。今日のご飯は豪華にフレンチにしたら?」
与太「いや~、俺そういうの苦手だわ。いつものバーで高いお酒飲ませてもらうね。」

与太郎は立ち上がると、そのまま扉の方に向かう。

荘「おじさん」

荘汰に呼び止められ、振り返ると荘汰が与太郎のタバコを持っていた。

荘「忘れ物」
与太「おぉ、悪いね~」

くるっと踵を返し、タバコを受け取る・・・が、荘汰はタバコを離そうとしなかった。

荘「おじさんもさ、ちょっとは甘やかしてもいいと思うよ」

ニヤニヤと笑みを荘汰に、与太郎はバツの悪そうな顔をしボリボリと頭をかき、

与太「そういう荘ちゃんは甘えすぎだと思うよ、たまには距離取ってみたら~?」

その一言に荘汰の眉根がピクリと動き、その隙にタバコを取り返す。
「じゃあね」と一言いい、ひらひらと後ろ手に手を振りながら外に出て行った。





キッチンで晩御飯の準備をしているイクトの手伝いをする宮田は、鼻にシップを貼られていた。

イク「今日は赤ちゃんのお世話をしてくれた宮田君にお礼です。
   今日はデザートにピンクグレープフルーツのゼリーを用意してますよ」   
宮「マジで! やったね!」

グツグツとシチューをかき混ぜながら、宮田は嬉しそうに「ピングレ♪」と歌っていた。
そんな宮田の顔を見たイクトはクスッと笑ってしまう。

宮「ん? なに?」
イク「いいえ、与太郎さんは難しい人だな~って」
宮「・・・・・・難しい」

宮田は鍋のシチューを睨みながら小さく答えた。
その横顔にイクトは小さく笑うだけだった。






夜の街を歩く与太郎はすぱ~っと気持ちよさそうにタバコを吸い、頭の後ろで手を組み

与太(う~ん、宮田青年・・・最近油断できなくなってきたな~)

と、必死な顔をしていた宮田を思い出し、他の人に気づかれないように小さくにやつき、夜の街へと姿を消した。


宮田の恋は、まだまだ先になりそうだ・・・
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