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無限季節

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なぜ急にジンオウガ×女ハンター(イユ)を書きたくなったのか・・・

や、ジンオウガさん好きなんで(笑)

あ、健全です!

ウチのジンオウガさんはイユたんには、超絶優しい、紳士?

ユクモ村に来て、長い月日が経った・・・

あの時は夏に入ろうとしていた時期だった・・・あれから数ヶ月、ユクモ村の回りに生えた紅葉は赤く色づき、ハラハラと舞い降りる。
そんな紅葉を嬉しそうに拾う、可愛いオトモアイルーの『がく』と『ゆき』。

「旦那さん、見てにゃ!」
「にゃ! 僕のを見てにゃ!」
「はいはい、二匹とも綺麗な赤色拾ってきたね」

可愛い可愛い、オトモ・・・この二匹がいれば何もいらないって思ってしまう私って・・・親バカ?

「あら、ハンターさん」
「村長さん、おはようございます」

集会所に向かって歩いていると、いつものベンチでお茶をする村長と挨拶を交わす。

「クエストですか?」
「はい、と言っても採取クエに。蜂蜜の在庫が無くて」
「今日は早く帰ってきてくださいね、夜には天気が悪くなるみたいですから」

スッと指差された方向、黒い雲が見えていた。

「本当だ・・・ありがとうございます」

村長に頭を下げると、イユは集会所へと入っていった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今日は孤島に採取。
オトモのがくとゆきは、どっちが多く蜂蜜を取れるか競い、イユを置いて何処かに行ってしまった。

イユは島の奥へと脚を運び、蜂蜜を採取する。
「ん~、足りないな・・・やっぱり渓流の方がよかったかな」

渓流には蜂蜜大好きのアオアシラがいるが、その分蜂蜜も沢山ある

(ま、ここで何かしら集めておけばいいか・・・)
蜂蜜をポシェットにしまいながら、歩いているとキノコを発見。

「お、キノコ! 熟成キノコあるかな!」
いそいそとキノコを拾っていると、近くにいたアプトノスが何処かに走っていくのが見えた。

「む・・・モンスターか?」

背中に背負っていたスラッシュアックスを抜き、回りを伺う・・・
(・・・・・・いない?)

気のせいか・・・と緊張の糸を解いた瞬間

「おい」
「!!!!!!!!!!」

後ろから突然声をかけられる

「・・・・・・・・・って、またお前か!」
おそるおそる後ろを向くと見慣れた翡翠色の髪の青年が立っていた。
しかし、青年の頭には角と耳が付いてた・・・いや、耳だけではない。
お尻辺りからも尻尾らしき物が生えてるし、青年の綺麗な爪は鋭く尖っている。

「で、何か用? ジンオウガ」

そう、彼は雷狼竜と呼ばれるモンスター、ジンオウガ。
なのに何故か、人の姿をしている・・・
イユがユクモ村に住み始め、初めてジンオウガと戦った日の夜・・・人の姿になったジンオウガがイユの家に現れたのが始まりだった。
詳しくは教えてもらってはいないが、モンスターは人間がいない時は人の姿になるらしい。
ちなみに、ジンオウガ以外に見たのはナルガクルガとベリオロスくらい・・・本当に人の姿になれるんだと再確認した時もあった。

ジンオウガはじっとイユを見つめ

「もうすぐ嵐が来る・・・ここは危ないから早く村に帰れ」
「・・・なんだ、そんな事かよ」

イユははぁ・・・とため息をつくと、踵を返し海側に歩き出した。

「おい! 俺の話を聞いてたのか!」
「はいはい、嵐が来るんでしょ? 分かってるよ、村長さんにも同じこと言われたから大丈夫だって」

止まろうとしないイユを、ジンオウガは追いかける。

「嵐が来るのは夜なんだろ? ならもう少し大丈夫でしょ」
「違う、確かに雲は遠いが、もうすぐ海は荒れる」

ぱしっと腕を掴まれる。

「危ないから、今日は帰れ」

金色の瞳がジッとイユを見つめる

「! わかったよ、帰ればいいんだろ」
咄嗟の事にイユは目を逸らしてしまった。


なぜこのジンオウガは自分の前によく現れるんだろう?

イユはそれが疑問で仕方なかった。
最初に出会った時は、殺意全開で襲い掛かってきたのに、人の姿になってからはそれが無い。

「キャンプまで送る」
「え?」

掴まれた腕を引かれ、歩き出す。
「ちょ、ま・・・オトモたちを探さないと!」
「あいつらなら、蜂蜜を大量に持って先にキャンプに戻っていたぞ。
両手が塞がっていて前も見えないから、キャンプでお前を待とうと話しながら歩いてた」

なんでそんな事まで知ってるんだ?

「・・・・・・なぁ」
「・・・なんだ?」
「お前って、モンスターなのに、どうして俺の前に現れるんだ?」

ピタッと脚が止まる。
くるっと振り返り、また金色の瞳をイユに向けた。

「・・・どうしてだろうな、俺にも分からん」

ジンオウガは表情ひとつ変えず、イユを見つめたまま答えた。

キャンプ近くまで送ってもらい、ジンオウガはイユがいなくなるまでその場を動こうとしなかった。

「・・・・・・どうしてだろう」

ぼそっと呟くと、近くで強い風が吹いた。
後ろを見ると、黒い雲が近くまで来ていた・・・その雲を見つめるジンオウガの瞳には、イユに向けていた優しい色は無かった。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

村に帰ると、村人が嵐に向けて板を打ち付けたりと、作業をしていた。

「お、姉ちゃん!」

イユの家の前で板を打ち付けていたのは、弟で同じハンターのユウだった。

「ただいま」
「お帰り。あ、今姉ちゃんの家の窓板で補強してたんだけど」
「お、サンキュー」
「夜はかなり酷くなるみたいだからさ、なんかもう沿岸も波が高くなってるみたいで危険みたいだよ」
「・・・そう」

ユウの話を聞いて、ジンオウガが自分に海に近づくなと言った意味がわかった。

(あいつは気づいてたんだ・・・)

さぁ・・・と強い風がイユの赤い髪を揺らす。


陽が暮れるにつれ、黒い雲はユクモ村に近づき、叩きつけるような風と雨が降り出した。

「んじゃ、今日はオトモ達預かるな」
「おう、頼むな~」

今日はユウの家にがくとゆきを預けてのお泊り会。
大勢の仲間と一緒の方がアイル達も心強いだろうと思っての行動だった。
しかし、がくとゆきは耳を垂れさせイユを心配そうに見つめていた。

「旦那さん・・・一人で大丈夫かにゃ?」
「もう、心配性だな。俺は大丈夫だから、2匹とも、今日は楽しんでおいで」

2匹の頭を優しく撫でると、垂れていた耳がピンと立ち上がる。

「分かったにゃ!」
「でも、にゃにかあったらすぐに知らせるにゃよ!」
「はいはい」

ユウが2匹を抱っこし、自分の家に戻っていくのを見送り、イユは家の中に戻った。
思いっきり背伸びをし、ベッドに腰掛ける。

「さて・・・がくとゆきもいないし・・・する事ないから・・・もう寝よう」

イユは灯りを消し、早い眠りへと入っていった。



あれから何時間経ったのだろうか・・・
深い眠りの中、バンバンという音に目を覚ます

「ん~・・・」

むくりと起き上がり、辺りをきょろきょろと見回す。
自分の足元にはプーギーが気持ちよさそうに眠っている。
バンバンという音は窓から聞こえる。
ベッドを抜け、音の招待を伺うと・・・窓に打ち付けていた板が外れ風に煽られて壁に叩きつけられていた。
(あんにゃろ~、しっかり打ち付けとけよ)

仕方なく、コートを羽織り豪雨の中外に出て、板を打ち直すことになってしまった。
外に出ると、回りの家は雨戸を閉めているので灯りが全く見えない。起きているのか眠っているのか・・・

「うわっぷ! 早く直して寝なおそう」

板を手に取り、打ち付けてあった場所にはめ直す。
トントンと小さな音を立て、板を何とか打ち付け直せた。
「これで大丈・・・」

と、言いかけた瞬間、大きな音を立て雷が光った。

「~~~~~~~~~!!!」

突然の音にビックリし、その場に座り込んでしまった。

「おぉ、落ち着け! こここ、こんなの! アイツの雷に比べたら」

といった瞬間、2度目の雷が鳴る。

「!!!」

早く家の中に入らなければ・・・
立ち上がろうにも、腰が抜けてしまい立てない。
(やばい・・・)

その時、誰かの腕が両脇に添えられ一気に立ち上がる。

「何してるんだ」
耳元で聞きなれた声が聞こえる。
振り返ると、自分の顔の近くに金色の瞳があった。

「ジ!」
名前を言うとした瞬間、『静かに』と静止させられる。
そのままジンオウガはイユを抱えたまま、家の中に入った。

「何で村に来たの! ここには俺以外のハンターだっているんだぞ!」
腕を放された瞬間、ジンオウガの胸倉を掴みかかった。

「・・・お前が俺以外の雷に脅えてるんじゃないかと思ってな~」
ニヤニヤと悪い笑みをイユに向かって見せると、イユは顔を真っ赤にさせた。

「どぅわれが! いきなり真後ろで雷鳴ったから驚いただけだ!」
フン!と顔を逸らし、奥の部屋に入っていってしまった。
ジンオウガはペロペロと濡れた身体を舐め、乾かそうとし始めると、イユが戻ってきた。

「ほら!」
バサッと頭の上からタオルを被せられる。

「びしょ濡れじゃないか! とにかく! こっち」
ぐいっと腕を引かれ、暖炉の前に座らされる。

「いい、すぐ渓流に戻る」
「ダメだ! いくらお前でも濡れたままだと体調崩すだろ!」

わしゃわしゃと乱暴に頭を拭かれる。
「・・・・・・ありがとう」

ぼそりと呟く。
「ってか、何で村に来たの?」

ジンオウガの目が心なしか泳いでいる。

「・・・・・・言いたくないならいいよ」
髪を拭き終わると、今度は体を拭いていく。

「お前が心配だった」
「・・・・・・え?」

拭いていた腕を取られ、ジッと見つめられる。

「嵐は危険だ・・・お前が・・・どこかに連れて行かれるような気がして仕方なかった」

冗談かと思ったが、ジンオウガの目は真剣に言っていた。

「心配してくれたんだ」

コクンと大きくうなずくジンオウガに、少し愛着が湧いてしまった。

「ありがとうな」

掴まれていた手を握り返すと、ジンオウガは嬉しそうに耳をピコピコと動かす。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夜明け前、雨も風も治まったので村人が起きる前にジンオウガは渓流へと戻っていった。
今度はイユが、ジンオウガの姿が見えなくなるまで見送っていた。
手にはジンオウガの身体を拭いたタオルがしっかりと握り締められていた。



朝になり、イユはがくとゆきを迎えにユウの家に向かった。

「ハンターさん、おはようございます」

と、ちょうど家から出てきた村長と出会った。

「村長さん、おはようございます」
「昨夜の嵐、さっきギルドの方から聞いてんですけど・・・嵐竜と呼ばれるモンスターが起こした嵐だったみたいですよ」
「え? モンスターの?」
「ええ、嵐竜が通る時は竜巻が発生するみたいなんですが、どうやら近くにジンオウガがいたらしく雷で進路を大きく外したいみたいで・・・」

ジンオウガが・・・? まさか・・・

『お前が心配だった』

その言葉の意味が分かった。
そして、昨日鳴った雷は・・・ジンオウガの物だったのだ。

(まさか本当に守ってくれた?)

あのジンオウガが・・・俺を? 人間である自分を・・・

「おかげで竜巻の被害に合わずにすみました」
「そうですね、本当によかったですね」

じゃあ、と村長に軽く頭を下げユウの家に向かった。



今度、あいつに魚を釣ってやろう・・・



イユはジンオウガの立ち去った方向を、もう一度見つめ小さな声で囁いた。





『ありがとう』
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あとは、気に入ったジャンル等もちょこちょこUPしていきますので、どうぞ、ごゆっくりお楽しみくださいませ^^
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