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無限季節

スタフォ中心女性向けサイトになります。

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放ったらかして、すいませんorz 5月以降って・・・そうですね コス活動でチマチマ活動してた時期です(^_^;) 前のサイトに載せた物、載せようと思って書きっ放しにしてたのを少しずつ移動させないとダメですね というわけで、書き終わってた小説をこちらにUPしますね 次はボカロかBASARAを書きたい・・・


それは突然の事だった。

 

「嫌だって・・・言ってるだろう!!!」
「諦めの悪い奴だな。大人しくしてれば何の苦もないってぇのに。気持ちよくなるだけだって」
「それが嫌なんだァアアアアアアアア!!!!!」


フォックスとウルフ。
ベッドの上で取っ組み合いをしている。
ウルフがフォックスの上に乗り、服を脱がそうとしている。

「や・め・ろ!!!」

バタバタと手をバタつかせる。
その手を避けた瞬間だった。


ブチッ!


「あ・・・」
「え?」

フォックスの伸びて尖った爪がウルフのチョーカーにひっかかってしまい、勢いよく千切れてしまった。
チョーカーはウルフの首から落ち、フォックスの腹の上に落ちた。

黒いチョーカー。

それはボロボロで、いつ千切れてもおかしくはなかった。
ウルフは暫く、チョーカーを見ていた。

「ご・・・ごめん」
「あ? 別に気にしてないぜ」
「で・・・でも! ウルフのお気に入りだったんじゃ・・・」

ウルフはポリポリと頬を掻きながら

「お気に入りっつーか、これしか持ってなかったっつーか」

何と答えてよいのか分からないらしい。

「まぁ、気にするな」
「でも!」

と言い掛けた時、ウルフはチョーカーを掴むと、壁際に置かれているゴミ箱に投げ捨てた。

「ちょ!」
「あんな切れたもん持ってても、しゃーないだろ。・・・・・・まぁ、でも」

ベッドに押し倒していたフォックスをチラリと見る。

「え?」

嫌な予感にフォックスは咽が鳴る。

「責任は取ってもらうからな・・・フォックス」
「ちょ! まっ!」

ウルフに覆い被さられ、抵抗もできないまま、ウルフの餌食になってしまったのだった。

 

 


あれから数日が経過した。

あの事件からウルフとは会っていない。
只単にウルフが長期の任務に付いているからなのだが・・・
フォックスとしては、あの件が気になって仕方が無い。

(・・・幾らなんでも悪かったよな。大切にしてないとはいえ、ずっと身に付けていた物だもん。気に入ってはいたはずだ。それに・・・)

キーボードを叩いていた手が自然と止まった。

(切れた瞬間、寂しそうな目になった)

ほんの一瞬・・・ウルフの瞳が寂しそうに揺らいだ・・・気がしたのだ。

「・・・・・・よし!」

フォックスは勢い良く立ち上がると、部屋を一目散に出て行った。
ツカツカと廊下を歩いていると、自室に戻ろうとしていたファルコが一瞬たじろいだ。

「なんだぁ? 何鬼気迫った顔してるんだ?」
「ちょっとな! 俺でかけてくるから」
「お・・・おぉ」

ツカツカと早足で角を曲がっていった。
ファルコは部屋に入り、上着を脱ごうとした時、シュンっと扉が開く音がした?

「?」

扉の方を見ると、フォックスが顔を下に向けて立っていた。

「・・・あのさ、チョーカーって何処に売ってる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

 

コーネリアの街をフォックスとファルコは一緒に歩いていた。
結局、フォックスの買い物に付き合うはめになったらしく、ファルコは罰の悪そうな顔をしていた。

「だから、ごめんって」
「別に買い物に付き合うのはいいけどよ・・・それがウルフの為だと思うと・・・何か気がのらねぇ」

犬猿の仲のウルフの為の買い物・・・ファルコにとっては屈辱以外の何物でもない。

「ちゃんとお礼はするから。な?」

フォックスの屈託のない笑顔を見せられたら、ファルコは断れないのだ。

「分かったから、さっさと行くぞ」

頬を少しだけ染め、歩く。

二人が来たのは、大きなセンター街。

若者が好む流行ファッションなどの店が入っている有名なビルだ。

「ここ?」
「そ。ここの最上階にパンク系やゴスロリ系の服売っている専門店があるんだ」

そういわれてみれば・・・
チラリとファルコの服装を見ると、パンクっぽい服装をしている。

「もしかして、ファルコの行き着け?」
「アクセとか買いにな」

なれた足取りでビルの中に入っていくファルコに、フォックスは呆然と立ち尽くす。

「し・・・知らなかった」

中に入り、ファルコとフォックスは直ぐにエレベーターに乗り込んだ。
二人が最上階に着くまで、かなりの時間がかかった。
上がる事に1階ずつに止まり、大勢の人が出たり入ったりを繰り返す。
最上階に着いた頃には、フォックスはぐったりをしていた。

「大丈夫か?」
「・・・こんな大勢の人間・・・初めてだ」

ヨロヨロとエレベーターを降りていくフォックスを見てファルコは・・・

「戦闘中もあんな状態だぞ」

ポツリと呟くが、フォックスには聞こえていない。
ファルコは小さく笑うと、フォックスの隣に立ち、先導した。
周りにはゴスロリや甘ロリを着た女の子や、パンクスタイルの男性など・・・

「凄いな・・・」
「アイツらにとっては私服だぜ。
 ・・・・・・ここだ」

ファルコの行き着けの店・・・全体がチェーンや髑髏などをモチーフにした店だ。
よく見ると、ファルコが身に着けているアクセサリーに似た物が沢山置いてあった。

「お? ファルコじゃん。
 何? 可愛い娘連れて・・・デート?」

店の入口付近で服を飾っていた男性がファルコに気がつき、話しかけてきた。

「ばーか。コイツは男だよ」

どうやらフォックスを女の子と勘違いしたらしい。

「あ、そうなの? ごめんね」
「・・・いや」

内心ショックを受けているフォックスだった。

「で、今日はどうしたんだ?」
「コイツが知り合いにチョーカー買ってやりたいって言うからさ」
「チョーカーか。今日沢山仕入れたとこなんだ。こっちだよ」

店員を先頭に2人は店の奥に入っていった。
奥のガラスケースには、色んな形のチョーカーが置いてあった。

「いっぱいあるな~」
「・・・・・・・これは?」

ファルコの指差したデザイン・・・トゲトゲがいっぱいついている物。

「・・・・・・アイツには似合わないよ」
「はは、冗談だ。アイツには・・・こっちは?」

ベルト調になったデザイン。

「あ、いいかも」
「・・・・・・アイツが付けたら、お前のペットみたいだ」

ファルコの言葉を想像する。
四つん這いになったウルフの背に座るフォックス・・・・・・

「「駄目だ」」

二人揃って同じ想像をしたらしく、言葉が同時に出てしまった。

 

その後もフォックスは店中のチョーカーを見続けたが、なかなか気に入った物が出てこない。
店にきて2時間が経過してしまった。

「ん~・・・困ったな」

選び疲れたファルコは店の前に設置してあるベンチに座り、携帯をいじっていた。

「まだ決まらない?」

店員が声をかけてきた。

「あ、すいません・・・」
「いいよいいよ。
 ・・・・・・ねぇ、どうしてもチョーカーじゃないと駄目なのかな?」
「え?」

店員が別のガラスケースから一つのケースを取り出した。

「これ、ペンダントタイプなんだけどさ、紐が長いから2重に巻いてもいいと思うんだ」

中から出てきたのは、十字架のペンダント。
十字架には美しい装飾が施され、中心に赤い石が埋め込まれていた。

「・・・・・・綺麗」
「だろ? これも今日仕入れたやつなんだ。
 ここの革の部分、チョーカー風にアレンジしてやるよ」
「・・・・・・うん、これにする」

ベンチに座っていたファルコがフォックスが出てきたのに気付いた。

「いいのあったか?」
「うん」

嬉しそうなフォックスに、ファルコの顔から笑顔が零れる。

「よかったな」

くしゃくしゃとフォックスの頭を撫でる。

「ありがとうな、ファルコ」
「俺は別に・・・」

ファルコの前に立ち、顔を覗き込む。

「お礼しないと。何か欲しい物とかあるか?」
「欲しい物・・・」

あどけない顔。女性のようにふっくらとした唇。自分を信じている瞳。

(・・・俺はお前が欲しい・・・なんて言えない)

「あ~、咽が渇いたな。なんか飲みてぇ」
「え? それだけでいいのか?」
「お前・・・それ買って金無くなったんじゃねぇのか」
「う!」

そう、あのペンダントは以外に高かったのだ。
ファルコの知り合いということで、安くはしてもらったが、フォックスの所持金のほとんどはペンダントに消えてしまった。

「あはは・・・・・・じゃあ、どっかで飲み物買って帰ろうか」
「おう」

 

グレートフォックスに戻ったフォックスとファルコは各々の部屋に戻った。
フォックスは携帯を取り出し、ウルフにメールをしようとした。
すると、携帯が鳴りだした。

「! もしもし」
『よぉ』
「ウルフ・・・」

メールをしようと思っていた相手からの電話にフォックスの頬が緩む。

『今から会いに行く』
「え? 今から?」
『今仕事終わって、コーネリアにいるんだ』
「えっと、今グレートフォックスには皆いるんだ。
 あ、飛行場で待っててくれ。会いにいくから」

ウルフは暫く無言になった。
怒らせたか? フォックスの心臓が早鐘を打つ。

『わかった』

電話を切り、フォックスは買ったペンダントを持ち、部屋を飛び出した。
廊下を走っているとファルコに出くわす。

「おわ! なんだ?」
「ごめん! 急いでるんだ!」

手に持っていた箱に気付いたファルコは、なるほど。と納得した。

「・・・・・・羨ましいぜ、アイツが」

ポツリと独り言を誰もいない廊下で洩らし、そのまま自室へと戻っていった。

 

 

フォックスはグレートフォックスが停めてある飛行場の隣の戦闘機専用の飛行場に向かって走っていた。
建物の間を通り過ぎると、開けた場所に出た。
すると、ちょうど空から一台の戦闘機が降りてきた。
戦闘機は地面を大きく旋回し、フォックスの近くで止まった。
息を切らしたフォックスは足を止め、ウルフが下りてくるのを待つ。

「フォックス」

コックピットが開き、ウルフが軽やかに降り立った。

「ウルフ・・・」

ウルフがフォックスの側に来ると、フォックスを抱きしめた。

「ウルフ!」
「・・・・・・久しぶりだ」

肩に顔を埋めると、ウルフの付けているコロンと煙草の匂いがした。

「うん・・・久しぶり」

スリッと肩に顔を摺り寄せる。

「! お前、何持ってるんだ?」

フォックスが腕を回して来ないのに疑問を持ったウルフが身体を離し、持っている物を見る。

「あ、これ。ウルフに」
「・・・・・・俺に?」

差し出された箱を受け取る。

「開けていいか?」

フォックスは恥ずかしさからか、無言のまま頷いた。
箱を開け、チョーカーに作り直されたペンダントを持ち上げる。

「・・・これは?」
「・・・・・・この前のチョーカーの代わりに」
「お前、まだ気にしてたのか?」

クスッとウルフは笑った。

「だって・・・」

フォックスはプイッと顔を背けてしまった。
ウルフは小さく溜め息をついた。

「あのチョーカーな、ジムがくれたんだ」
「父さんが?」

そっぽを向いていたフォックスの顔がウルフに向けられる。

「俺が一匹狼でいた頃にな。誕生日プレゼントだって。
 ガキ扱いされてた時に」

ウルフはチョーカーを空に掲げ、懐かしむような目で十字架を見つめた。

「けど、親父のいない俺には嬉しい時だったな」

視線をフォックスに移し、持っていたチョーカーを渡す。

「付けてくれよ」
「・・・・・・うん」

ウルフに近づき、チョーカーを受け取る。

「このまま・・・向かい合ったままで」

後ろに回ろうとしたフォックスを阻止し、自分の前に立たす。
フォックスの付けやすい位置まで腰を下ろし、長い髪を持ち上げる。
首にチョーカーを回し、後ろの金具を止めようとするが、少し届かない。
少しだけ背伸びをし、腕を首の後ろまで回しカチッと、しっかり止める。

「よし・・・うわ!」

金具を止めた瞬間、ウルフがフォックスを抱き上げた。
バランスを崩しそうになったフォックスは首に回していた腕で、ウルフに抱きついた。

「ちょ!」

ギュッとウルフが抱きしめる。

「ウルフ?」
「・・・ありがとな」

フォックスの肩に顔を埋め、嬉しそうに尻尾を振る。

「・・・・・・本当に嬉しい?」
「当たり前だろう? ジムのチョーカーも大切だったけど・・・今はお前が一番大切だ。
 だから、お前からくれたチョーカーの方が一番嬉しい」
「うん」

ウルフの目と目が合うと、二人はキスを交わす。

「なぁ・・・」
「ん?」
「・・・いいか?」

真面目な顔で問われ、フォックスは小さく笑うと、

「今日は特別な」

と、いつもは嫌がる行為を許可した。
ウルフは笑みを見せると、フォックスを抱き上げたまま、闇の中に消えていった。

 

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氷野筑波(旧青空あおい)
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小説書き、絵描き、コスプレ
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あとは、気に入ったジャンル等もちょこちょこUPしていきますので、どうぞ、ごゆっくりお楽しみくださいませ^^
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