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無限季節

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捏造小説


・食満が1年の時、6年生に兄がいた
・1~5年まで髪の毛を伸ばしていた

という文次郎×留三郎小説

文次郎視点の語り小説です

大丈夫という方、どうぞ



俺達が1年のころ・・・留三郎には6年の兄貴がいた
留三郎に似たつり目で、用具委員長をしていた留三郎の兄・・・
俺達、1年生の面倒をよく見てくれて、6年生から信頼されていた・・・

俺と留三郎が喧嘩していると、かならず間に入って、俺達を叱っていた。
長い、留三郎より黒い髪が印象的だった。

あの人が卒業すると、留三郎は兄のようになろうと、勉強や忍術を頑張っていた。
兄と同じ用具委員に入り、兄のように後輩達をかわいがっていた。
そして・・・兄のように髪を伸ばすといいだした。

2年・・・3年・・・4年・・・と時が流れ、俺達は5年生になった。
短かった髪は長くなり・・・後姿は・・・あの人に良く似ていた。




そんなある日・・・いつものように俺と留三郎は喧嘩になった。
夏が終わり、少し肌寒くなってきた秋の昼下がり・・・

「文次郎、てめぇ!」
「あぁ! 先に仕掛けたのはお前だろうが!!!」

留三郎の蹴りを避け、みぞおちに拳を叩き込もうとしたが、脚でガードされる。
お互い、鼻と口から血を流し、ボロボロだった。

「もう! 二人とも、いい加減にしなよ~!」

長屋の方で伊作の止める声が聞こえるが、俺達は無視する。

「~~~~~この!」
留三郎が拳を叩き込もうとしたのを、避けた時・・・あいつの長い髪が俺の視界を奪う。

「っ!」
そのせいで、俺は留三郎の回し蹴りされ、吹っ飛ばされた。

「・・・・・・あれ?」
さすがの留三郎も、こうも簡単に蹴りが入るとは思っていなかったのか、呆然とした顔で地面に倒れこんだ俺をみる。

「・・・・・・お前な~!」
俺は勢いよく立ち上がり、留三郎の胸倉を掴み、

「鬱陶しいんだよ、そのなっげー髪! 男だったら、短く切りやがれ!」
その言葉に留三郎のこめかみに青筋が立つ。

「あぁ! テメェに指図される覚えはねぇんだよ! 俺の髪だから、どうしようが勝手だろうが!」
「なんだと、テメェ・・・」
「もう・・・また・・・」
掴み合いの喧嘩が始まろうとした時・・・それは突然・・・やってきた

「留三郎!」
土井先生が息を切らせて走ってきたのは・・・
先生は留三郎の方に走りよると、肩をつかみ・・・

「すぐにご実家に戻るんだ・・・今、使いの人がきて・・・・・・」
そこから先生の声は聞こえなかったが、留三郎の表情を見て俺は驚いた。




あいつの瞳から・・・・・・色が・・・・・・消えていたからだ・・・















その後、仙蔵から聞いた話によると・・・

ここの卒業生で、俺達も知っている留三郎の兄が・・・・・死んだと
留三郎の兄は、ある城の組頭まで登り、幼い城の主を守っていたらしい・・・

しかし、城は攻め落とされ、幼い主を守ろうとした留三郎の兄は、一人城に残り追手を一人でも出さないように・・・死ぬ寸前まで戦ったと・・・

留三郎は2週間帰ってこなかった・・・

もみじが赤色に染め始めたころ・・・帰ってきた。

最初、暗い顔をしていたが、伊作が寄り添い部屋に戻り、少し休むと・・・夕餉の時には顔色はよくなっていた。
それでも、皆・・・あいつの遠慮してか、あまり声をかけようとはしなかった。

その日の夜・・・・・・

(うぅ・・・さびぃ・・・)
夜中、トイレに目を覚ました俺は厠に行き、部屋に戻ろうと廊下を歩いていると・・・

留三郎と伊作の部屋の前に誰か座り込んでいた。

月明かりが出て、人物の姿を見せる。

(留三郎? 何やってんだ?)

留三郎は暫く、ぼぅっと庭を見つめていると裸足のまま、庭の真ん中まで歩き出した。
俺は、その行動を暫く見つめていた。

留三郎は、空を仰ぎ、暫く何かを考えていたと思うと、袂からクナイを取り出し・・・自分の髪を掴むと・・・切り出した。

「!」
俺は突然の行動に驚き、駆け寄っていた。

「おい!」
俺の声に驚いた留三郎は、こっちを見、小さい声で「文次郎・・・」とつぶやくのがみえた。

「バカタレ! 何やってんだ!」
クナイを握っている手を掴み、留三郎の身体を自分の方に向かせる。

「お前! 兄貴に憧れて髪の毛伸ばしてたんだろう! なのに何で!」
留三郎は暫く俺の顔を見つめていると、その瞳から・・・一粒の涙が流れ落ち・・・それが合図かのようにボロボロと留三郎は泣き出した。

「そう・・・だよな・・・俺・・・兄さんみたいな・・・忍者・・・に・・・うぅ・・・くっ・・・」
握っていたクナイを落とし、見られないように顔を両手で覆い隠す。

「・・・・・・・・・留」
初めてだ・・・留三郎が・・・こんな風に泣くのは・・・
いつも喧嘩して、どんなに痛くても・・・こんな風に泣くことは一度だって無かった。

「俺・・・にいさ・・・の・・・顔・・・・・・見れなかった・・・身体・・・焼けちまって・・・顔も・・・髪も・・・焼け・・・て・・・」
止まる事のない涙に・・・留三郎の兄への思い・・・・・・
そんな留三郎をみた瞬間・・・・・・俺は留三郎を抱きしめていた。

「最後に・・・兄さんに会ったの・・・夏休みだった・・・」
「・・・・・・知ってる」
「俺が・・・帰ってくるの知ってて・・・1日だけ休み取ってくれてて・・・」
「・・・・・それも聞いた」
「兄さん・・・俺のために・・・クナイや手裏剣買っててくれたんだ・・・その日の夜・・・俺の髪の毛・・・梳いてくれた」
「あぁ・・・・・・」
「伸びた髪みて・・・『お前は短い方が似合うのに』って言ったんだ・・・でも、俺・・・兄さんみたいになりたいって言ったら・・・
嬉しそうに笑って・・・・・・」
「・・・・・・バカタレ、もう何も言うな」

留三郎の腕が俺の肩に回されるのを感じた。
そのまま留三郎は・・・小さく・・・・・・何度も・・・俺に謝った。



翌朝・・・俺は目不足の目をこすりながら、食堂に歩いていると・・・軒先で留三郎の髪を切る伊作を見かけた。

「あ! 文次郎! 見てよ、これ! 留三郎、夜中に自分で切ろうとしてこんな風にしたんだよ!」
「だ~か~ら! 悪いって言っただろう! 今度、うどん奢るって!」

頬を膨らませ、ぶつぶつと文句を言いながら留三郎の髪を切る伊作に、俺は小さく笑った。

「留三郎」
「あ?」

俺は歩きながら、留三郎が少しでも元気になるようにと思い・・・・・・

「お前、短い方が似合うぞ」

と言いながらその場を去った。

「だって・・・・・・あれ? 留三郎?」

背後から聞こえる伊作の言い方に俺はまた小さく笑った。

きっとアイツ・・・・・・顔赤くしてるんだろうな~って・・・
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